2023年振り返り
技術,文化,デスマーチ
プログラミングを始めてもうすぐ2年になる.今年は初めて技術記事を書いたり,Rustを完全に理解したりと,小さな歩みではあるが確かな進歩があった.
また,今年は自分にとって文化の年となった.今年は自分でもビックリするほど本を読んでいないが,代わりに映画,アニメ,漫画などをたくさん観た.
それらを合わせて2023年を振り返っていこう.
時系列振り返り
年初
2023年1月1日,私は夏油高原スキー場付近の宿で年を越した.数年ぶりのスキーだったので何回も死にかけた.2023年は命の危機から始まっている.
元旦にTwitter(当時)でつぶやいた抱負をみてみる.
- Rust書けるようになる
- OSSにコントリビュートする
- 個人開発でリリースまでやり通す
- Windows環境破壊
- アナログシンセサイザー作る
- DAWとBlenderを生活に取り戻す
達成したことから見ていく.
Rustは当時に比べたらだいぶ書けるようになってきた.チュートリアルに毛が生えた程度のレベルだが,ある程度自分で考えて書けるようになってきたので楽しい.
次に,身の回りのWindows環境を全てNixOSに置換した.NixOSだと不便なことは共用のProxmox VEサーバー上のVMで行っている.素晴らしい開発体験を得た.
一方,OSSへのコントリビュートや個人開発は達成できていない.実力不足を痛感するばかりだが,前者に限ってはビビって避けていた節があるので,2024年では自分に出来る範囲の貢献を探したい.
その他はやる余裕がなかった.これからまた忙しくなるので,隠居後の楽しみと化すか,時間が経つ内に生成モデルに完全代替される可能性がある.
最高の年越し
大晦日は機能美Pさんの年越し配信を見ていたのだが,そこで素晴らしい作品の初公開に立ち会った.間違いなく人生で最高の年初だろう.
年度開始
学校の新年度は開幕デスマーチとなった.
実は,私が所属するコースは,2021年度末(高専2年時)に高専機構というエライところから監査が入り,授業・評価システムにダメ出しを食らっていた.そのため,2022年度から従来型の授業方法に急転換し,学生は地獄を見たのだが,そのコースを牽引していた革新派とも言うべき先生が3人まとめて学校からトんだのだ.なので2023年度は組織崩壊からのスタートとなった.
訴えられたくないのでつけ加えておくと,我らがコースから飛び立たれました先生方におかれましては新天地でのより一層のご活躍をお祈りしております☺
ついでにこの時から塾でバイトを始めたが今月辞めた.結論から言うと,地方の塾バイトは実質コンビニ接客と変わらないのでおすすめしない.また,高専4年の忙しさは3年の比ではないので,同じ境遇でアルバイトを始めようとしている方は留意されたし.
初夏
Rustに慣れるためにAtCoderを始めた.これは結果的にかなり功を奏した.全く競技プログラミング向けの練習していなかったので未だ灰色コーダー(一番下のレベル)だが,Rustに慣れる目的は達成できた.最近は別のタスクがあるので休止中だが,ちゃんとアルゴリズムの勉強をしてから復帰したい.
また,7月にはZennにNixOSについての記事を投稿した.初投稿にも関わらず,200以上のLikeと2つの有料バッジを頂いてしまった.ありがとうございます🙇
夏休み
高専では4年生になると大半の人間が夏季インターンに行く.私も学校から紹介されたインターンに応募したのだが,先生が提出期限をすっぽかしてパーになった.そのまま謝罪してくれたのならギリギリ許せたかもしれない.だが実際は,最初は先生本人から「募集定員オーバーだった」と伝えられたのに,数カ月後の保護者懇談会で本当は先生の不手際だったことが明かされた.この件で学校への愛想が完全に尽きた.
秋
11月に神戸・京都に研修旅行に行った.滅茶苦茶楽しかった.
神戸・富岳
初日は理研の富岳を見学した.驚いたのが,なんと富岳は建物の最上階に設置されていた.見学者向けのプレゼンルームにて,「これから実際に富岳を見ていただきます」と案内の方が言うので移動しようとしたら,スクリーンが上昇し,背面のガラス越しに富岳が現れた.絶対に見学者を驚かせるためだけにそこにプレゼンルームを置いたと思っている.
写真で見るよりずっとこじんまりとした部屋だったが,そこに15万個のCPUがあるというのだから驚きである.
富岳のある建物は,1Fにストレージ,2Fに本体の冷却設備,3Fに本体という構成になっている.3Fに富岳を置く理由は,最上階だと上階を支えるための柱が無いため,ノード間通信のためのケーブルを迂回させずに済むからだそうだ.だが京と違って富岳は光通信なので迂回したところであまり変わりないとも言っていた.
富岳のネタバレをしてしまって申し訳無いが,興味があったら団体向けの見学案内や一般公開をチェックしてみてはいかがだろうか.
京都
私たちのような修学旅行の学生と観光ツアー客で完全にオーバーツーリズム状態だった.そのうち50%超が外国人観光客で,特に清水寺で「Osaka people is too crazy!」と叫んでいたアメリカ人が印象深い.そして,車酔いしやすい人にとって京都バスは地獄だ.3.11でガタガタになった我らが宮城県の道路ですら足元にも及ばない程の揺れと観光客で満員の車内の空気で嘔吐寸前になるので気をつけよう.
京都の街並みは最高だった.景観条例によって建築高度が規制されているので都市特有の圧迫感がないし,ぶらぶら歩いているだけで史跡が出てきて面白い.けたたましい商業広告が無い空間の快適性を体感した.また行くなら長期間滞在して時間を気にせず過ごしてみたい.
ホテルでは『2001年宇宙の旅』を観ながら優勝していた.
冬
研修旅行から帰った直後,右耳がストレス性難聴になった.未だに治っていない.
この時期の高専は研究室が活性化し始める.高専の研究室には先生がゼミを開いたり課題を出したりする課題型と,独学して好きにやれと完全放置される放任型がある.私は後者に所属しているのだが,ボスに「好きにやっといてね」と言われて数カ月経ってから「今何してる?」と連絡がくるような研究室なので,所属している学生は大慌てになる.悲しいことにこういった研究室はたくさんある.
幸い,私は夏休み前の打ち合わせで大体方針を決めていたので,今の所そこまで困っていない.
技術
Nix / NixOS
私にとって2023年はNix元年である.Nixのロゴかっけぇ!と飛びついたが終い,18歳の貴重な時間の多くをNix / NixOSの理解に費やしてしまった.ちょっとだけ後悔している.あの時ArchLinuxが起動不可能になっていなければ...
そんなこんなで6月くらいに至高のdotfilesが完成した.リッチデスクトップ環境には程遠いミニマリスト構成である.
弊校のオープンキャンパスでレーザー加工機でペンに印字してもらった.気に入っている.
Rust
axumやsqlxを使ってWebバックエンドを作ったり,パーサー実装のチュートリアルをやったりした.どれも超小規模なので成果と呼べるほどのものではないが,Rustスゲー!にはなったのでいいんじゃないかな.しらんけど.
自作言語に興味があったので,最近は式指向・単相の静的型付け言語の実装を頑張っている.ちゃんとテストしていないのでバグをたくさん含んでいるかもしれないが,字句解析器・構文解析器・型検査器の実装を一応終えた.今はCraneliftでJITコンパイルさせるために戦っている.
フロントエンド
Next.js 13を使いまくった.他のフレームワークも早くRSCとServer Actionsに対応しないかなと思っている.ちなみにWebpackには滅んでほしいと思っています.
GraphQL / Protocol Buffers
学校にProxmox VEサーバーを置いているのだが,それを学生がカジュアルに扱えるプラットフォームとして提供することを内輪で構想している.そのためのアプリケーションをフロントエンドをNext.js,バックエンドをRustで作りたかったので,APIスキーマとなる諸々の技術を試した.難しい印象を抱いていたGraphQLは使ってみたらかなり体験がよかったし,Protocol BuffersはTonicのおかげで結構いい感じに扱えた.
卒業するまでに実現できるだろうか...
文化!
『アークナイツ 黎明前奏』で2022年を終え,機能美Pの『そんな話を彁は喰った。』から始まった2023年は,私に多大な文化的潤いをもたらした.
カテゴリーごとに振り返る.
アニメ!
- 水星の魔女
- アークナイツ 冬隠帰路
まず,水星の魔女二期である.ガンダム好きなので新作が出たら追っているが,ガンダムとしても,新しいガンダムとしても,SFとしても面白い作品だった.久しぶりに毎週テレビの前に張り付く体験をした.
アークナイツ二期は,Yoster Picturesの原作ストーリーに対する描写の徹底ぶりにドン引きしつつ,フロストリーフやKal'tsitの戦闘シーンに歓喜しながら観ていた.ゲームを先にプレイしていたので既に結末は知っていたのだが普通にボロ泣きした.2024年1月のリアルイベントでアニメ制作・声優陣の話が聞けるらしいので楽しみにしている.
漫画!
2023年面白かった漫画集を載せる.なお,特に断りのないものは連載中の漫画である.
ジャンプラ
- チェンソーマン 第二部
- シバタリアン
- ペンションライフ・ヴァンパイア
- スケルトンダブル
- SPY×FAMILY
- 対世界用魔法少女つばめ
マンガワン
- レ・セルバン
- アフターゴッド
- 異剣戦記ヴェルンディオ(第一部完結・休止中)
- 異世界人生劇場〜竜と魔王とエビフライ〜
- 怪異と乙女と神隠し
- 常人仮面
- 裏バイト:逃亡禁止
- スノウボールアース
- 銀狼ブラッドボーン(完結)
- スカライティ
- 異世界ありがとう
- 獣王と薬草
- MUJINA INTO THE DEEP
- 雷雷雷
カドコミ(旧: コミックウォーカー)
- ニセモノの錬金術師
- ヘテロゲニア リンギスティコ 〜異種族言語学入門〜
- 異世界サムライ
コミックDAYS
- 平和の国の島崎へ
コミプレ
- 最果てに惑う
紙媒体
- 呪術廻戦(単行本)
- ワンピース(単行本)
- メイドインアビス(単行本)
......意外と読んでいた.
中でも特におすすめのものを太字でピックアップした.
『スケルトンダブル』は今ジャンプラで連載している中で一番面白いと思っている.
『出会って4光年で合体』
あまりに衝撃的な作品に出会った.これだけ特別に別枠で紹介する.
最初に言っておくと,これは成人向け漫画である.だが,その領域に閉じて評価されるべき作品でない.その異質さは400超というページ数や,Pixivの試し読みにつけられた「純文学」タグからも見て取れる.
成人向け漫画で涙することを想像したことはあるだろうか.だが決して感動ポルノではない.壮大な自然を目にしたときのような,救われるような感覚だ.
これ以上内容を述べることはできないけれど,成人向け作品に抵抗がないのなら本当に読んでほしい.
自分が2004年生まれで,ちょうど2022年に成人していたことに感謝したくらいだから.
映画!
今年は例年以上に映画館に足を運んだ.観た順番に列挙する.
- RRR
- シン・仮面ライダー
- 君たちはどう生きるか
- ミッション: インポッシブル デッドレコニング
- ゴジラ-1.0
- ザ・クリエイター
私は『RRR』を劇場で観れたことに感激している.エンドロールが終わった後,即座に2023年ベスト映画となった.最近は何かと鬱屈とした作品が多いが,『RRR』を観て全て吹き飛ばそう.ナートゥ!
宮崎駿作品を映画館で観たのは恐らく初だ.たまたまバイトが休みになったので公開初日に観に行けた.一切の事前情報が開示されていない状態で映画を観るという体験は,恐らく後にも先にもないだろう.実を言うとジブリ作品のどこか物悲しい雰囲気が苦手だったのだが,『君たちはどう生きるか』ではそれがあまりなく,宮崎駿の強烈な世界観を全身に浴びることができて楽しかった.
ミッションインポッシブルは4DXで観た.開幕狙撃されて危うく声が出かけたし,刺突・殴打・銃撃を繰り返されて体がボロボロになった.この未来体験は一度経験したほうがいい.後編作を楽しみにしている.
『ゴジラ-1.0』は,『シンゴジラ』に並ぶ邦画ゴジラはもう出ないだろうという自分の考えを完膚なきまでに破壊した.ゴジラが怖い,この一点だけでも最高だ.吉岡秀隆が演じる「学者」こと野田健治が一番好き.
『ザ・クリエイター』はB級SFだが,『GODZILLA (2014)』やスターウォーズの『ローグ・ワン』のギャレス・エドワーズ監督が作ったオタク映画で,個人的に満足度が高い.金をかけたSF映像は観ているだけでも楽しいというものだ.
レイトショーで観に行ったら,なんと劇場が貸し切り状態になっていた.得した気分で家に帰ったのだが,よりにもよってその晩にSCP-199-JPの記事を見てしまい,一人でレイトショーに行けなくなってしまった.許せない.
音楽!
音楽はいいものです.
今年はカラオケにたくさん行った.毎回バイト終わりに男数人と完徹していたので正気の沙汰ではない.声を出すことが苦手なので頑張りたい.
Spotifyのお気に入りの曲が600曲くらい増えた.今年開拓した中でも特に好きなアーティストを好きな曲と一緒に列挙する.
- PAS TASTA - 『river relief』
- KMNZ - 『PRACTICE』
- 長瀬有花 - 『オレンジスケール』
- Aiobahn - 『Re: searchlight』
- callasoiled - 『数の民族』
そして今年もアークナイツの製作会社Hypergryphのレーベル・Monster Siren Recordsがたくさん曲を出してくれた.ほとんどがゲーム本編で流れない音楽のくせに,どいつもこいつも質が高すぎる.どうなってるんだ.アニメ二期のOP『ACHE in PULSE』とED『R.I.P.』も素晴らしい.
MSRのオフィシャルサイトで君も聴こう.
そして9月には平沢進のライブがあった.現地参加したかったが残念ながら落選したので配信で観た.次こそは現地に行って平沢進の実在性を確かめたい.
ゲーム!
- ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム (NEW!)
- ARMORED CORE VI (NEW!)
- アークナイツ
ティアキンもAC6も最高のゲームだが,未だにクリアしていない(絶望)
AC6は3周目のボスに勝てなくて放置しているだけで,1,2周目はクリアした.声しか出ていない登場人物にあそこまで感情移入するとは思わなかった.
アークナイツはイベントストーリー『孤星』が滅茶苦茶面白くてずっと興奮していた.しばらく音沙汰なかった『アークナイツ エンドフィールド』も,『孤星』のストーリーが密接に関わってくるため露出が最小限に留められていたことが判明し,現在は続々と情報が公開されている.来春リリース説も囁かれているので2024年が楽しみだ.
まとめ
時間が経つのが早すぎて焦りがすごいが,一部の深刻な問題を除けば楽しい1年となった.2024年は将来の進路に関わる重大なイベントが控えているので気を引き締めてかかりたい.
それではよいお年を.